No.155 橋下知事「分市案」は財政調整の問題あり!

 

 

 

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大阪都構想:橋下知事「分市案は財政調整課題」 意思決定の仕組み模索 /大阪

 毎日新聞より

 橋下徹知事は7日の府議会本会議で、大阪市を解体・再編する「大阪都構想」に関連し、「東京は23特別区の(財政上の)自立性が乏しい。一方(大阪市を分割して複数の)普通の市にすると財政調整の問題が生じる」と述べた

東京都における特別区の財政調整を援用しない場合、分割後の各市の間で税収格差の是正が必要との認識を示したもの。梯信勝議員(民主)の一般質問に答えた。

 知事は地域政党「大阪維新の会」の代表として、大阪市やその周辺市を特別区に再編する「大阪都構想」を掲げるが、8月以降、大阪市を8~9市に分割する「分市案」の主張も始めた

一方、府の自治制度研究会も9月公表の中間報告で、「大阪市の再編が必要」と知事の考えに沿う意見を示している。

 「大阪都」ならば、東京のように都が税収を吸い上げ区に再配分するが、「分市」では各市間の税収格差を埋めるために、協議などの新たな手法が必要となる。知事も答弁で「特別区、普通市いずれも問題はあり、研究会で新たな大阪のあり方を模索する。意思決定のメカニズムを詰めないといけない」と述べた

梯議員は「分市は財政調整まで水平連携できない」と法改正の必要性を強調した。

 これに関連し、大阪市は知事の「分市案」について、08年度決算ベースで試算。9市に分割すると7市が赤字となり、うち5市が財政破綻(はたん)状態に転落するとの結果を出した。橋下知事は7日、府庁内で記者団に「市の試算は矛盾だらけ」と批判。今後、府として試算する意向を示した。

 

 

 

 

 

 

 

記者の目:「大阪都」構想=堀文彦(大阪社会部)

毎日新聞より

 霞が関や中央政党に矢継ぎ早に問題提起をしてきた大阪府の橋下徹知事(41)が、府と大阪市を解体・再編する「大阪都」構想を打ち出している。

実現のため4月に地域政党「大阪維新の会」を設立した。来春の府議選、大阪・堺両政令指定都市の市議選で過半数獲得を掲げ、相対する各中央政党や構想を批判する大阪市との対決色を鮮明にしている。

停滞する大阪の活性化を掲げ、既存の都市の枠組み解消を説く主張には、確かに魅力がある。しかし、複雑な都市問題を単純化したストーリーで語り、対立を強調して民意をすくい取る手法には危うさも感じざるを得ない。

 大阪都構想を表明したのは今年1月。東京都をモデルに、大阪、堺など府内中心部の各市を30万人規模の特別区に再編して、インフラ整備や産業振興など広域的な仕事を「都知事」に集約し、福祉や医療など住民サービスは特別区に任せる、とした。

 ◇二重行政批判に府民の反応熱く

 ほぼ同程度の予算と権限を持つ府と大阪市は「大阪のかたち」を巡り、主導権争いを続けてきた。大学や公共施設など重複した箱モノや事業が多く、無駄も指摘されてきた。この弊害を解消するため「大阪全体の指揮官と財布(予算)を一本化し、世界で競争できる大阪を目指す」(橋下知事)のが構想の狙いだ。

 知事は維新の会代表として8月下旬からほぼ毎週末、府内各地でタウンミーティングを開いている。毎回立ち見が出るほど盛況で、異様なまでの熱気に包まれる。刺激的なフレーズを交えたエネルギッシュな弁舌が聴衆の心をとらえるのだ。

 「大阪停滞の一番の原因は府と市という、とんでもない役所が二つあること。二つでやるから全然力を発揮できない」(大阪市港区で9月18日)。

「大阪市役所も府庁もつぶす。明治維新に匹敵する役所の解体。楽な市職員、市議会議員、支援者との大戦争になる」「大阪はタイタニック号。船が巨大過ぎて乗客は沈むのが分からない。ワインを飲みながらバイオリンを聴いている」(ともに門真市で9月25日)

 現状への危機感や府市併存による弊害など、うなずける面は確かにある。だが、どうしても疑問や違和感が残る。

 まずは、知事が言うように、停滞の最大の原因は府・市の「二重行政」なのかという点だ。大阪からの企業流出や府民所得の低迷、高い失業率などの問題は、二重行政もさることながら、東京一極集中や終身雇用制度の崩壊、セーフティーネットの不備など、さまざまな要因が絡み合った結果ではないか。府市再編の「一点突破」で、すべてが快刀乱麻に解決できるほど問題は単純ではないはずだ。

 二つ目は対決演出型の手法だ。単純な対立構図を設定すれば、メディアを通じて世間の注目は集まる。半面、単一の争点に関心が集中し、その他の諸課題への問題意識は薄れる。小泉政権下の郵政選挙で「刺客」対「抵抗勢力」の対決ばかりが際立ったのと似た状況に陥る恐れがある。

 橋下知事の言動を府民はどう見ているのか。都構想をテーマに平松邦夫・大阪市長と行った意見交換会(9月9日)を、毎日新聞のモニター3人に傍聴してもらったところ、主張の明快さや力強さを理由にいずれも橋下知事に軍配を上げた。

一方で「橋下さんは意固地になり過ぎている気がした」(女子大学生19歳)、「ブレーキ役が必要だと思った」(主婦40歳)と自制を求める声もあった。府民も「分かりやすさ」と「危うさ」の両面を感じ取っている

 

 ◇理念に偏らず柔軟な指導者に

 知事は自らが目指す私立高校の授業料無償化拡充の財源確保のため、私立小中への助成を削減する方針だ。私学側はこれに反発しているが、9月にあった私学団体との協議でも「倒れる学校は吸収合併すべきで、生徒集めを頑張ってほしい」と一蹴(いっしゅう)した。

 政治家には、ビジョンを示して実行に移す指導力と、多様な意見や利害を取りまとめる調整力とのバランスが必要だ。前者を押し通せば強権となり、後者に傾けば日和見と映る。橋下府政の場合、理念の貫徹に偏り過ぎる場面が目立ち、「強権的」と見えることが少なくない。

 70%という高支持率(今年1月の本紙調査)の通り、現職知事で最年少の若いリーダーにかける府民の期待は大きい。だからこそ、橋下知事には、柔軟性と忍耐力を兼ね備えた、成熟したリーダーを目指してほしい。私たち記者も、知事が日々発する「言葉のシャワー」を吟味し、真意を見極め、的確に警告を発する力を培っていかなければならないと自戒している。

 

 

 

 

都構想での大阪市形態 知事「新たな都市像模索」

産経新聞 より

 府と大阪市を再編する大阪都構想をめぐり、橋下徹知事は7日、府議会一般質問で、知事が構想する大阪市の基礎自治体の形態について「普通の市にしても特別区にするにしても問題はある」と述べ、現行の都市制度に問題点があると言及。専門家が集まる府自治制度研究会で「新たな都市像を模索する」と語った。

 議員から「(再編後の大阪市のあり方について)東京都のような特別区にするよりも、普通市にする方がよいとする意見があるが、知事の考えを聞かせてほしい」と質問があった。

 さらに、橋下知事は「(現行制度を)一歩越えて新たな大阪の都市像を模索するのが自治制度研究会。大きな方向性を考えれば、特別区でも普通市であろうがさしたる問題はない」と述べた。

 橋下知事は当初、大阪市と周辺市を20程度の特別区に再編する大阪都構想を提唱。しかし、実現には法改正が必要となるなどハードルも多いとして、最近は、大阪府庁はそのまま残し、大阪市だけを8~9の普通市に分ける「分市案」も打ち出している。

 都制度を導入した場合は、各区が財政的に独立できないのではないかとする意見がある。一方、普通市に分割した場合は、税収の差などから、行政体の間に大きな不均衡が生じる可能性があるとされる。

 ともに問題点があるというが、橋下知事は「住民サービスを提供する基礎自治体として大阪市が大きすぎるというのがテーマ。特別区にするか普通市にするかどうかは次の議論だ」と述べた。

 

 

 

 

 

大阪都構想:平松・大阪市長「知事発言は矛盾の極致」 /大阪

毎日新聞より

 橋下徹知事が7日の府議会で大阪市を解体・再編する「大阪都構想」に関連して「(同市を分割して複数の)普通の市にすると財政調整の問題が生じる」と述べたことについて、
同市の平松邦夫市長は8日の市議会財政総務委員会で、
「9月にあった意見交換会では、知事は『地方交付税による財政調整措置が図られる』と言っていた。今や(知事発言は)矛盾の極致」と批判した。太田勝義市議(自民)の質問に答えた。

 平松市長はこれまで、「区を独立した自治体にすると地域間格差が生まれる」と指摘し、大阪都構想のマイナス面を突いていた
この日の委員会では7日の知事の府議会答弁に触れ、「交付税制度が万全であるかのように、あの日(9月の意見交換会)言っていたことは何やねん」と憤りを見せた。